まち家具にぎやかな南相馬のまちをつくる。私たちの生活はすぐ外の道や近くの公園などで、何とはなしに近所と繋がっています。人と人の間にある場所=外をより豊かな環境として整え、もっと賑やかな場所にできるかもしれません。時を経て変化し続けるまちと、今可能なこととの間を計り続けることが重要な状況の中で、生活の場面場面に関わる試みを、少しずつ実践していくことを大切にしたいと考えています。 まち家具チーム 伊藤立平 萩森薫 岡田健 machikagu@gmail.com 2015年10月 マチエール2015としてリペアワークショップ、「まち家具キャンバス&マッピング」を開催しました。 何かご不明な点のある方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。 2015年10月11日(日) 南相馬市高見公園内にあるオープンなシェルフ、通称「ホワイトハウス」をペイントしなおし、夜にアニメーションをを投影するワークショップを開催しました。南相馬を支援し続けている「ゆめゆうと」さんと連携している企画です。今回は小屋の補修と塗替という行為を、イベントと連携することで共有する(共有の可能性を考える)ことが目的です。10日から数年間の風雨による劣化部分の補修作業、11日昼の部にてペインティング、夜の部には酒井敦美さんによる「光の切り絵」、新目敏雄さんによる600本の灯籠の中で子供の絵の投影をを行い、幻想的な空間が公園に生まれました。「ゆめゆうと」さん企画による、半屋内遊び場での小馬崎達也さんのライブ(酒井敦美さん空間演出)の動線途中になったことで、多くの方々にお立寄り頂き盛況の中無事終了できました。ありがとうございました。 日時: 2015年10月10日(土)~11日(日) 13:00~17:00 2015年9月18(金)~22日(火) 2015年3月に鹿島区の仮設住宅地内「みんなのみらい・きぼうのふれあいひろば」に設置していた小屋を再び小高駅前のオープンスペースに移築するワークショップが岡山県立大学津田研究室を中心とした学生有志チームにより行われました。強い意思を持つ津田先生・中原先生率いるチーム、広畑さん・小林さんたち小高の未来を考えている方々との一体感が駅前のオープンな空間に結実しています。 日時: 2015年9月18日(金)~22日(日) 2015年3月14日(土)~15日(日) 昨年度に引き続き、第3回目のワークショップが開催されました。再築にて構想されていた残りの部分が完了しました。一時画伯主催による流麻二果さんの作品「虹の天井 – Rainbow-Colored Celling -」が天井を形成し、当初の構想を越えた素晴らしい空間となりました。一時画伯さんにとの協同は、「羽田でつなぐ《東北スマイルプロジェクト》」として行われた「虹の天井」ワークショップの一環です。羽田空港、よつば保育園で作成された「虹」が天井になりました。この第3回目ワークショップの様子は一時画伯さんのサイトでもご紹介頂いています。 日時: 2015年3月14日(土)~15日(日) 2014年11月29日(土)~12月14日(日) 南相馬市鹿島区「みんなのみらい・きぼうのふれあいひろば」へ、大学の授業のために建てた小屋の解体・再設計・移築を行いました。ヒアリングをさせて頂きながら、原形を発展させ、広場のための1つの形に何とか結実しました。学生がチーム毎に作成した案を持ち込み、また持ち帰るという過程は良い経験になりました。仮設住宅の有志の方々が形にしてきた「のらとも農園」との境界に建ち、閉じがちな仮設住宅内にオープンな場所をつくる目的で設計施工しました。元の部材が新築なのか移築なのかという切り分けは、手間のかけ方により再考できることを実践しました。設計からプレ加工、現地施工まで、学生を主体としたチームで行っています。 日時: 第1回ワークショップ/ 2014年11月29日(土)~30日(日) ※11/28(金)の午後から作業開始 2014年7月19日(土) 岡山県立大学で開催されるシンポジウム、「福島南相馬、市民がつくる賑やかな未来」に参加させて頂きました。第一部では保育園の副園長をされながら、生活圏の除染活動・屋内外の子育て環境の整備等、「市民主体」であることを重視しながら様々な試みを実践されてきた近藤能之先生をお招きし、これまでの活動の経緯をご紹介頂きました。第二部では近藤先生を交えて市民から求めらている場所の姿、賑やかな未来の一部になるための場所の姿を参加者とともに討議しました。デザイン工学科の授業で製作した木造の小屋を、南相馬へ移築・再生するプロジェクトが2014年の秋・冬に実施されますが、このプロジェクトが向き合うべき状況を再考・更新し続けるための、意見交換の場となることを意図しました。 シンポジウム「福島南相馬、市民がつくる賑やかな未来」 第1部 基調講演 「市民の力で始められること」 近藤能之(よつば保育園福園長/みんな共和国) 第2部 ディスカッション 近藤能之 2014年6月7日(土)~7月18日(金) 東京の南青山にて開催中の家具の合同展、 KAGUTEN/建築家の創作家具展2014南青山展 「南相馬のシェルフ」 南相馬市は公園などの生活圏が先行してが除染され、安全な場所となりつつある。地域の人々は間の場所=外で何とはなしに繋がっているものなのだと思う。外をより豊かな環境として整えることが何より必要であることを、これまでの関わりの中で実感している。地域の有志の方々と試行錯誤を重ね、省予算で、自らの手でメンテナンスが出来、共有を実感できるスケールの空間が形となった。まちや地域を考えることが、この様なスケールに結実したと考えている。展示物は、実際に設置されたものの一部(再製作)である。実物は地域の情報交換の場として働くことを意図しているが、展示ではその形式を利用して作品解説を行い、東京と南相馬の情報交換の一助となることを意図している。各ピースは高さ180mm刻みのモジュールを持ち、公共空間の階段、ベンチ等の高さと一致する標準的な身体寸法で出来ている。台形の平面をしたピースを並べると円弧を描き、囲われた領域を生む。上に積むと一定のピッチで仕切りの入った棚=シェルフとなる。上段になるに従い、積むためのピースの軽量化を新たに試みている。軽量化のための外面の縦格子は、囲まれた空間に通風・採光・視線の抜けを確保する。シェルフにはコンピュータ用語で「一時的に物を置く場所」という意味がある。この場所を介して物と行為が作用し合いながら折り重なることで、まちの出来事が留まり、連なっていく豊かな「外」の一部になることを願っている。また、今回新たな試みを加えた形での1/10模型を製作した。 (一部再製作) (1/10模型製作・展示設営協力) 2013年10月12日(土)~13日(日) 「マチエール2013」として、絵本創作集団の方々との連携企画という形で「シェルフ」に絵を描くワークショップ、「まち家具キャンバス」を開催しました。更新されたグラフィックは高見公園に戻され、オープンエアギャラリーになっています。自分達で描いた絵を、親子で公園に見に来てくれています。「マチエール」は美術用語で絵肌を表す言葉ですが、復興途上にある都市と重ね合わせ、絵(描くこと)を介してまちに働きかけ、まちの表情(テクスチャー)を浮かび上がらせることを目的としています。また「ペインティング」は美術用語でも、建築用語でもあり、清掃を含めた塗替えは外部の建築にとって必要な行為です。建築のメンテナンスという行為は、継続的に人が関わる関係を作れることだと考えてみると、その定期性をこのようなイベントとして捉えることで市民との関係を蓄積していくことが出来ると考えています。 日時 2013年10月12日(土) 17:00~19:00 (創作絵本原画展示のみ) ・ 13日(日) 10:00~18:00 市内の幼稚園・保育園には、よつば保育園の近藤能之先生のご助言とご協力を得て「全ての園児達の手元に届く」ように、ポスター1000部を準備。小学校へはゆめゆうとさんから1000部、合計2000部を配布しました。 2013年7月24日 マチエール2013、ポスター用のプレワークショップの様子です。大阪から南相馬へ。 南相馬のシェルフ 高見公園の中に、半透明の屋根と様々なピースによるシェルフで構成された、「自由に過ごすせる」場所ができました。大勢で何かをしたり、思い思いに何となく立ち寄ることもできます。半透明の屋根は、数種のパターンのフィルムが層状に配置され、夏は日差しを和らげ、冬は日差しを取り込みます。木製のピースは合計21個あり、地面に並ぶと同心円状の野外ステージに、柱に繋ぎスタッキングすると囲われた半屋内になります。また外周に吊るされたカーテンにより、日差し・風・虫・視線等に応じて環境を整えることができます。シェルフとカーテンを組み合わせ、夏は日差しを遮り半開、春・秋は気候を活かし全開、冬は防寒のために閉じるなど、自由に模様替えすることができます。歴史ある公園の大らかな環境の中で「自由に過ごす」ことで、物と人・人と人が様々な出来事を連ねていく場所になることを願っています。 メインサポート ネスレ日本株式会社 ・ 凸版印刷株式会社 賛同 ・ 協力 一般財団法人ダイバーシティ研究所 製作協力 みんな共和国 ・ みんな未来センター ・ 石川建設工業株式会社
2012年11月15日~19日 積み込みから高見公園での設置までの様子です。 2012年11月18日(日) 南相馬市の高見公園にて、新たに設置される「南相馬のシェルフ」に絵を描くワークショップを行いました。当日の様子はFBページにてご紹介しています。取り外しと移動が可能な木製のピースに、外部用の塗料にてペインティングして頂きました。参加頂いた方々によるグラフィックと、多用途に開かれた様々なスケールによってピースそれぞれが個性を持ち、それらが集合・スタッキングされることで「シェルフ」が生まれます。 2012年8月 南相馬市内の高見公園にて、みんな共和国が主催する子供のための屋外イベントに参加しました。除染を行い、放射線量を細かなメッシュで細密に測定している安全な公園です。視認性の高い屋外を、開かれた公共空間として再生することを目標に取り組みました。このイベントでは子供たちが空間づくりに参加できる仕組みを提案しました。写真は、終盤にようやく形になったペットボトル造作です。参加者が色を付けていく形が一つ実現しました。巨大なタワー(原町無線塔)があった公園の歴史にちなみ、1/50スケールで同じ細長比をもつタワーを製作しました。花火大会で市民が集うタイミングに、夜のライトアップがぎりぎり間に合いました。ご協力頂いた方々、本当にありがとうございました。 2012年8月 これからのまちを考えるミーティング。「今後」の展望を共有しながら、まちの中での高見公園の位置づけを議論しました。今何が震災後のまちへの「行為」として必要なのかという課題にどう応えるべきか。喫緊の課題でもあり、展望が必要な課題でもある。人が集まれる場所が生まれることに共感が集まった。市民の求めに接点を持ちえる方向性を具体的な水準まで議論しました。 「まち家具」冊子は、市民の方々の求めに対してこれまでの提案が本当に接点を持ち得ているかを再検討し、簡潔にまとめ直したものです。拡げるとA2サイズになります。 裏は南相馬市内のマップになっています。リサーチで線量データを収集した公園などのオープンスペースをプロットし、それらがごく近所の生活圏内にあるこをと示しました。除染が進むにつれ安全な外部が近所に広がっていくことを、詳細まで分かるマップのスケールにより、把握できるようにしています。 2012年7月 「まち家具」冊子を作成し、まちの再生の一助となり得るかヒアリングを行いました。実際に除染を行っている公園で、その方法や収集・把握しているデータについてヒアリングを行いました。 2012年2月 桃李舎主催の地下発電所にて報告会を行いました。2011年11月の調査とその後の提案から数ヶ月経ち、再度南相馬市で何が「分かり」、何が「行なわれる」べきかを整理する良い機会を頂きました。2011年11月の調査の動機や「分かった」ことを提案の前段として詳細に纏め直しました。
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