ちいきのBAR 峠BAR TOGATE

新大阪にある店舗兼オフィス。日本各地の木を集めることと、全国のお酒を集めるバーとの親和性に着目し、各地の山・木・仕事の魅力を人々へ伝えながら、山と都市を豊かな関係で繋ぎ続けるための交流拠点になることを目指している。各地の木を、各地の加工と手仕事によって内装から家具まで製作し、時と場合に応じてバー・カフェ・オフィス・コミュティースペース等、多目的に共有できる設えとしている。また、個々の設えが産地の物語を伝える役目を果たすと同時に、直接素材や手仕事に身体で触れて体感できるのギャラリーにもなっている。産地のことを自ら語る設えを介しながら、山村のことを物語を介して知ることができる空間を目指した。

居ぬきのRC躯体をそのまま残し、日本各地(16か所)から集められた素材・内装材・家具・小物が、物語とともに必要な場所に配置されている。雑木として燃料に使われてしまう変形した広葉樹材間仕切り壁として用いたり、和室需要が減っている床柱(とこばしら)用の北山杉を壁面に並べたり、吉野林家の判を残したままの大カウンターなど、産地の背景を同時につたえる内装としている。また置かれている家具は、山村への移住作家の手による地域材利用のものである。

「峠」という名前には、山や木の魅力を知ってもらうための都市部の入口=ゲートとしたいという思いが込められている。産地ツアー、山村と都市のオンラインイベント、移住定住の案内、木工作家の紹介、木素材の紹介などを通して様々な出来事が結びつき、都市と山村がつながる暮らし方を具体的に実践する場である。

鉄道駅からほど近く人通りの多い道路に面した立地のため、正面をガラス張りとすることで、木のインテリアと訪れた人々の活動とが路上にまで拡がり街の景色の一部となるような、多世代に開かれて誰もが訪れやすい場所となることを目指している。

所在地
大阪府大阪市淀川区西中島
用途
バー、ギャラリー、カフェ、ショップ、オフィス
工事種別
改修
規模・構造
地上1階・RC造
延床面積
101.66㎡
天井高さ
3.1m
竣工
2022年
建築主
ちいきのBAR峠
ディレクション
古川大輔(株式会社古川ちいきの総合研究所)
施工
藤見赳夫(TEAK DESIGN LAB)
家具デザイン
平井健太、関谷智彦、土井一成ほか
インスタレーション
前田大作(一般社団法人ソマミチ)
林業
高力恒次(株式会社柳沢林業)
林業
中田治(北山杉~京都北山フェルマータ~) 
ロゴデザイン
脇阪直伸(株式会社わのえ)
写真
山田圭司郎

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