長門おもちゃ美術館所在地: 山口県長門市仙崎4297-1センザキッチン内 / 用途: 展示場(多世代のための体験型美術館)・事務スペース・物販店舗 / 工事種別: 内装・外装の改修及び増築 / 規模・構造: 地上1階・鉄骨造 / 敷地面積: 2663.99m2 / 改修増築部分面積: 336.58m2 / 最高高さ: 6.68m / 竣工: 2018年 / 建築主: 長門市 / 総合監修: 認定NPO法人芸術と遊び創造協会(東京おもちゃ美術館) / 共同設計: シンラテック / 構造設計: 門藤芳樹構造設計事務所 / 施工: 安藤建設 / 運営: 人と木 / 写真: 山田圭司郎 ※海から山への繋がりを表現した動画も公開されています。是非ご覧ください! 漁港に隣接し海と山を望む、地場の木による空間とおもちゃに触れられる多世代のための場所である。公設民営により官民一体で運営される。土産物屋が並んでいた既存の平屋を改修した。 鉄骨ラーメン構造で外壁が自由なため、南の山と北の海とを繋ぐ水平窓を設けた。木のおもちゃを展示する室内は、起伏のある床によって庭側の広場、海側の多目的広場、公共通路を兼ねるショップを分ける。起伏は視線を遮らない高さとし、山と海を見渡せる。起伏は永く親しまれてきた地元の地形を参照し、広場を囲む「桟敷」状の段には、海を眺めながら人々が集まれる。増築し南庭へ繋がる「木育の小屋」では木を使うワークショップが行える。北に張り出すデッキは海を正面とし、廃船を改修したクルーズ船が発着する「桟橋」へ繋がる。 外のテラスには木組みの壁を回廊状に設けた。汎用寸法を用いた簡易な工法は地場の材と技術に由来する。物性に応じて樹種を併用し、持送り式に下からシイ・ヒノキ・スギを積み、眺め・日射・風・を調整する。室内には視線を通す密度で丸柱を並べ、長門の山の樹種比率で11種類の木を用いた。床高さと屋根の間で高さが変化する柱は、長いほど「曲げ剛性」が高い樹種としている。 地域が持続可能なあり方として取組む広葉樹林業とものづくりの関係を繋ぐため、多様な木の表情と技術が見える展示場のようにした。山の植生や仕事、文化や自然へ想像力が拡がる場所を目指した。 長門おもちゃ美術館ホームページ |